生物物理・神経情報研究室

ヒル班

「ヒルを用いた神経回路網の解明」


冨菜 雄介

    チスイビル類(医用ビル)Hirudo verbana の行動集 (2016年米国オハイオ州シンシナティ大学で撮影. 撮影者:冨菜雄介)


  • 吸血行動(blood-feeding)

成体ヒルは哺乳動物の暖かい血液を好みます。飼育下ではソーセージの皮(豚や羊の腸皮)に牛の血を詰めて常温放置したものを水槽に投入します。ヒルは口器にある牙と吸盤を使って獲物の血を吸います(拡散した血液は吸えません)。


  • 遊泳行動(swimming)

ヒルは水中環境において、自発的あるいは胴体後部への刺激に応答して遊泳行動を示します。陸地ではもっぱら這行(crowling)によって移動します。

  • 短縮行動(shortening)

頭部を突かれると全身を縮こませる反射行動を示します。回避行動の一種です。

  • 局所湾曲行動(local bending)

胴体体壁の中央部分をつつくと、圧力を与えられた部位が局所的に刺激方向から遠ざかるようにして曲がる反射行動が観察されます。

  • 這行(しゃこう) (crawling)

ヒルは水中環境あるいは水の少ない陸地において、自発的あるいは胴体後部への刺激に応答して這行によって移動を開始します。頭部の口器にある吸盤と尾部にある吸盤を使うため、これが張り付ける基質が必要です。水平に移動するだけでなく、垂直に上ることも可能です。遊泳中に前方の吸盤が基質に吸い付くと、遊泳行動から這行行動への切り替えが素早く起こります。

  • 驚愕応答(startle response)

ヒルは侵害刺激(圧力刺激よりも強い機械刺激や、化学・温度刺激)を胴部に受けると、陸地においても遊泳運動にも似たのたうち回る強い驚愕応答を示します。


 

 

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